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◆【注目の業界動向】「タイルカーペット完全循環型リサイクル」

東リグループ内で完結するリサイクル体制を構築
リサイクルバッキングは「GA-3600」で展開

 環境意識の高まりを受け、インテリア業界各社からリサイクル素材を活用した製品が続々と発売されている。そうした中で東リ(株)(永嶋元博社長)は、メーカーならではの一歩踏み込んだ取り組みとして、東リグループ内における「タイルカーペット完全循環型リサイクル」体制の構築を、このほど発表した。

 同社のリサイクルへの取り組みは2000年にさかのぼる。「東リエコスピリット」を宣言し使用済みタイルカーペットのリサイクルを開始、2012年にはタイルカーペットにおける広域認定制度の認定を受け、カーペットメーカーでは国内で唯一、使用済みタイルカーペットを自ら回収してリサイクルを行ってきた。

 そして2021年にカーペットの主力生産拠点である滋賀東リにて「タイルカーペットリサイクルプラント」を本格稼働させた。このプラントは、タイルカーペット廃材をパイル層(表面繊維層)とバッキング層(塩ビ樹脂層)に分離することなくリサイクルチップに加工、それをバッキング材に再生するという独自技術を導入したもの。パイル層もまとめてリサイクルできるため、完全循環型(100%)のリサイクルシステムとなっているのが特徴だ。

 今年6月23日にリニューアル発売された環境配慮型タイルカーペット「GA-3600」に採用されているバッキング材「サスティブバック」は、このプラントでリサイクルされたものである。

 こうしたリサイクル製品の開発の一方、同社では「オフロケーションシステム」(2008年グッドデザイン賞受賞)を1985年より展開している。これは建物に使用しているタイルカーペットを取り外して回収し、洗浄・交換するというメンテナンスシステムで、実に35年以上も前から循環型ビジネスを事業化してきたのだ。

 このように、同社ではタイルカーペットのリサイクル関連事業を、さまざまな角度から取り組んできたわけだが、今回発表したグループ内での「タイルカーペット完全循環型リサイクル」体制構築とは、それらの取り組みのノウハウを活用してシステム化したものである。

 そのフローとは、オフィスなどで排出される使用済みタイルカーペットを広域認定制度を活用して回収、厚木工場で中間処理を行い、滋賀東リの「タイルカーペットリサイクルプラント」で廃材をリサイクルチップに加工、「GA-3600」を製造・販売するというものだ。回収から製造まですべての工程を東リグループ内で行うことで、信頼性の高い水平リサイクルシステムとなるわけだ。

 環境への意識がより高い大手ディベロッパーなどでは、このシステムを導入することが建物自体の価値を高めることにつながるため、非常に高い関心を示しているという。

 「原料となる廃材をいかにして多く回収するか、またそれをリサイクルチップに加工するプラントの生産力強化などまだまだ課題はありますが、他社にはない、メーカーという立ち位置での独自のリサイクルシステムとして、訴求していきたいと思っています」(広報担当者)とのことだ。

東リのホームページ
https://www.toli.co.jp/

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