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◆令和版「のり騒動」「壁紙施工用でん粉系接着剤」供給不安が発生

ヤヨイ化学は「ピュアラ」「ダイレクトPRO」への代替え使用を訴求中

 今年5月20日以降、「壁紙施工用でん粉系接着剤」の生産・出荷が、原料の一部である「硝酸」の供給不安により滞る事態が発生、壁紙職人の間で不安が広がり、一部で買い占めが行われるなど令和版「のり騒動」ともいえる状態となっている。そうした中、壁紙施工用接着剤メーカー最大手のヤヨイ化学販売㈱(二口真社長)は、従来どおりの供給体制を確保しつつ、問題となっている硝酸を使用しない、でん粉系接着剤「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」への代替え使用を訴えている。

 「壁紙施工用でん粉系接着剤」において硝酸は中和剤の役割を果たしている。苛性ソーダで製造される接着剤は、当初アルカリ性の性質を帯びるが、硝酸によってそれを中和させるわけだ。
 この硝酸は、これまで国内主要メーカー2社から供給されてきたが、4月下旬にそのうちの1社の製造設備が故障、復旧に遅れが生じている。さらに残りの1社についても製造設備の定期修理中のため、日本国内で硝酸の供給が極端に滞っているのだ。故障している製造設備の復旧は7月上旬が見込まれているが、硝酸は自動車や半導体などさまざまな産業に使用される重要な原料のため、すぐにでん粉糊用に供給されるのかどうか見通しがつかない状況という。

 ヤヨイ化学販売では、急遽海外から硝酸を調達し、従来の生産量分の硝酸を確保済だが、「のり騒動」のようなパニック状態の中で大量発注や買い占めが発生していることから、平常時以上の注文が殺到するなど供給が切迫した状態に陥っている。
 こうした事態を回避するため、代替えの「壁紙施工用でん粉系接着剤」として「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」の使用を訴えているわけだ。

 「ピュアラ」と「ダイレクトPRO」は、ともに中和剤として硝酸を使わないタイプのでん粉系接着剤である。「ピュアラ」は一般的な希釈タイプで性能も価格も同社定番品の「ルーアマイルド」「アクアマイルド」などと同レベルである。

 一方の「ダイレクトPRO」は、そのまま使えるノン希釈タイプで、以前本紙でも紹介したが、専用剥離剤「下地がスッキリ」と組み合わせて使用することで壁紙の裏打ち紙がきれいに剥がせる機能も有している。

 同社広報担当は、「硝酸は従来の数量を確保し安定供給ができる体制を整えていますが、今のような状況が続けば、非常に厳しくなります。ぜひ落ち着いた対応をお願いするとともに、『ピュアラ』や『ダイレクトPRO』への代替え使用もご検討いただければと思います」とメッセージを発信している。

ヤヨイ化学販売のホームページ
https://www.yayoikagaku.co.jp

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