(株)矢野経済研究所は、2022年の住宅リフォーム市場規模について、前年比5.8%増の7兆2877億円との推計数値を発表した。分野別では、「増改築に関わる費用」(10平米超+10平米以下増改築工事)が前年比3.6%減、「設備修繕・維持管理費」が同6.6%増、「家具・インテリア等」が同6.4%増となった。
2022年は、新型コロナウイルス感染拡大による営業活動の休止や外出自粛などの行動制限が緩和され、マイナス影響が少なくなった。一方、コロナ禍の在宅時間の長時間化により高まったリフォーム需要は継続しており、加えて資材費や人件費の上昇によりリフォーム工事単価が上昇したことなどから、住宅フリフォーム市場は前年比増となった。
また傾向としては、断熱・耐震・バリアフリーなど住宅性能向上リフォームへの取り組みが活発化している。性能向上リフォームの需要はまだまだ顕在化していない段階ではあるが、国や地方自治体による補助金や助成金施策の実施や、建材メーカーのPR等により消費者の認知は高まっており、需要拡大の余地は十分にある。
2023年については、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行したこともあり、外出を伴う消費(旅行、外食、イベント等)機会が増加することで、コロナ禍で一時的に高まったリフォーム需要は減少することが予測される。その一方で、団塊ジュニア世代の持家がリフォーム適齢期にあることや、不動産取引価格の上昇を受け、ライフスタイルの変化に伴い住み替えを予定していた人が持家のリフォームにシフトする動きがみられるなど、リフォームの需要増加につながる動きもある。さらに、リフォーム工事原価の上昇や高付加価値リフォームの増加によりリフォーム工事単価は上昇傾向が続くとみられ、今後の住宅リフォーム市場は堅調に推移する見通しであるとし、2023年の住宅リフォーム市場規模は7.4兆円を予測している。
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